2017年8月21日
沖エンジニアリング株式会社
沖電気工業株式会社
BGAの裏面プロービング
OKIグループの信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(社長:柴田 康典、本社:東京都練馬区、以下OEG)は、このたび、最先端の電子部品・基板の故障解析サービスの提供を8月21日より開始します。新サービスは、従来対応が困難だった、さまざまな高密度実装多層基板や最先端パッケージ部品などの端子へ正確・確実にプロービング(通電針当て)する技術の開発に成功したことで、短時間での故障部位特定と解析を実現したものです。
昨今、LSI、パワーデバイスなどの半導体部品だけでなく、BGA(注1)FOWLP(注2)などの半導体パッケージ(注3)、積層セラミックコンデンサー(注4)やセンサーなどの電子部品やモジュール、さらには高密度実装基板など多様な製品に対する故障解析ニーズが増えています。これらの故障解析において中心的役割を担うロックイン赤外線発熱解析(注5)は、対象品にパルス電圧を印加する必要がありますが、これらの中には端子への結線が困難な製品も多く、それらに対してはプロービング(通電針当て)が必要になります。このため、OEGでは下記の4つの専用ユニット・治具とプロービング技術を開発し、端子への正確・確実なプロービングを可能にしました。
プロービング・ユニット:「ロックイン赤外線発熱解析装置」に標準装備のプローバーでは少なくとも100×100µmの領域が必要ですが、実体顕微鏡で観察しながら針当することにより、10×10µmの領域にプロービング可能としました。
裏面プロービング・ユニット:BGAなど裏面に端子(バンプ)がある場合は標準装備のプローバーではプロービングができませんが、裏面にプロービングし、そのまま上下を反転させて解析できるようにしました。
ホットチャックユニット(高温の試料台):高温になると不良が発生する場合があります、そのため200℃まで加熱できるホットチャックを作成し、高温で解析ができるようにしました。
チップ部品観察用治具:チップ部品は多方向から解析するのが効果的ですが、超小型化の進展により取扱いが困難です。そこで、部品を固定すると同時に導通がとれ、かつ回転できる治具を作成し、チップ部品を多方向から解析できるようにしました。
OEGは、今後もお客様のニーズに対応した解析、評価技術の向上や設備の充実を図り、電子部品・電子機器メーカーの設計・開発・製造上の問題解決を支援していきます。
ICチップの表面実装タイプのパッケージ方法の一種で、平面の樹脂のパッケージから小さいボール状の電極が並んでいるタイプのこと。
半導体チップとプリント配線基板の間をつなぐ再配線層を、半導体工程を使って作る「ウエハーレベルパッケージ」の一種。
半導体素子を包んでいるもので、樹脂やセラミック、金属などのこと。
セラミックスの誘電体と金属電極を多層化することで小型・大容量化を図った、チップ型コンデンサーのこと。雑音を抑制する目的や回路定数を設定する目的で使用される。携帯電話機1台当たりの搭載個数は100~300個程度使用されている。
電子部品や実装基板等のショート、リーク等に伴う発熱箇所を特定する方法。試料にパルス電流を流して試料表面温度を赤外線カメラで測定し、試料に流れる電流と同期した熱画像を解析することにより、温度上昇を高感度で検出し、熱の発生点を特定できる。
「ロックイン赤外線発熱解析サービス」紹介サイト