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時代とOKI

第11回 公衆電気通信法改正と感熱式ファクシミリの開発

1972年(昭和47年)、公衆電気通信法が改正。通信回線が一般企業にまで開放されます。ファクシミリの急速な普及・進展を期待してのことでした。一方でOKIは同年11月の「沖データ機器展」において感熱式のプリンタを出品。これが日本経済新聞・技術部の目に止まり、ファクシミリの開発を依頼されます。OKIはこれを弾みにビジネスファクシミリ市場に参入します。

ファクシミリの歴史

ファクシミリの歴史は意外にも古く、モールスが電信機を発明した5年後の1843年(天保14年)にイギリスのベーン(Alexander Bain)によって、その原型が発明されました。ベルが電話機を発明する30年以上も前のことです。

日本では、1928年(昭和3年)に昭和天皇即位の儀式を京都から東京の新聞社に写真電送したのが始まりだといわれています。以後、新聞の写真電送をはじめ、警察・鉄道などの指令通信、電報の集配信など、専用回線を使った業務用として利用が拡大していきました。

OKIはといえば、創業者の沖 牙太郎が1932年(昭和7年)にプリンタ技術の原型となる簡易印刷電信機の試作に成功。以来、ファクシミリの開発に不可欠なプリンタ技術(記録部)において独自の技術・ノウハウを培っていました。

1972年(昭和47年)、公衆電気通信法が改正されます。通信回線が開放され、一般企業のファクシミリ利用が可能となります。当時はインターネットや電子メールもなく、通信手段といえば主に郵便か電話の時代。即時性と記録が残ることによる正確性を担保するファクシミリの登場は、一般企業にとってきわめて画期的なことでした。

感熱式ファクシミリを開発


感熱式プリンタを初出品した
沖データ機器展(1972年)

公衆電気通信法が改正された1972年(昭和47年)11月、OKIは「沖データ機器展」で、やがてファクシミリのグローバル・スタンダードとなるプリンタ技術を世に問うこととなります。発色色素と発色剤を塗った用紙を熱により発色させるという、感熱式のプリンタです。小さな基盤の上に発熱体を並べたプリントヘッドが、印刷する紙の表面に触れることで文字や画像を印刷。OKIのこの新製品は、各界から大きな注目を集めました。とりわけ日本経済新聞社の技術部は、メカ技術に電子技術を組み合わせたユニークなプリントヘッドに着目し、OKIに感熱式ファクシミリの開発を依頼します。

感熱式はその当時、他の方式と比べて、(1)運用コストが安く、記録紙代は静電方式の3分の1から4分の1に低減できる、(2)用紙の交換以外に手がかからず、保守もほとんど不要、(3)発色機構がシンプルで小型・軽量化できるため、機器も低価格、(4)騒音・電気ノイズなどが出ず無公害といったアドバンテージを有していました。ファクシミリをせっかく導入しても相手先になければ役には立ちません。機器の低価格化、運用コスト安の実現はその普及において大きな意味を持つものでした。

ファクシミリ市場を席巻した「OKIFAX7100」

OKIは日本経済新聞社の依頼をきっかけにファクシミリ開発に本腰を入れます。1973年(昭和48年)10月に日本経済新聞社に1号機を納入。続いて一般公衆回線で利用できる「電話ファックス」の開発に着手し、1974年(昭和49年)9月にはアナログ式の「OKIFAX600」を発表します。


感熱式を世界の主流に押し上げた
「OKIFAX7100」

感熱式ファクシミリの競争優位性を決定付けたのが、その2年後の1976年(昭和51年)5月に発表したデジタル式の「OKIFAX7100」でした。感熱式は当初、スピードと分解能(画質)において課題を残していました。しかし、OKIの技術陣は同方式のパイオニアとして、高速化と画質の向上とコストダウンを徹底追求。前機種と比較して電送時間を6分の1程度に短縮、高速化させるとともに、主要部分をパッケージ化して量産を容易にすることで圧倒的な低価格を実現させたのです。

その結果、通信機メーカー、事務機メーカー、家電メーカーを含めて約20社が熾烈な競争を繰り広げていたファクシミリ市場で、後発ながら多くの支持を獲得。使い易くて運用コストが安いという感熱式ならではの利点を背景に、官公庁から民間企業へと販路を拡げていったのです。その中には伊奈製陶(現LIXIL)のように、「OKIFAX7100」で全国規模のネットワークを構築した企業もありました。同社ではそれまで、電話を使って支店・特約店間の受発注業務や納期・在庫などの問い合わせを行っていましたが、締め切り時間のタイミングで話し中になってしまうケースが多く、人為的ミスも少なくありませんでした。それが「OKIFAX7100」の導入以降、情報伝達の迅速化、正確さが大幅に向上したといいます。

感熱式は実績を築くにつれ、世界の主流方式に成長。同時に方式の異なる機種間では相互通信できないことが問題となり、国際規格による標準化が進んでいきました。OKIもこうした標準化を睨みながら、技術革新の歩みを続けていくのです。

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